「ソルハ」帚木蓬生(著)★★★★★

ソルハ

ソルハ

予約しておいた本ではなく、自動車図書館が来たとき、現場で見つけて借りた本。なんせ今回は予約した本8冊のうち2冊しか届いてなかったので。
ところがそいつがめっけもんだった。おそらく最新作だろうし、まあ、そんなことより、とにかくよかった。
まず、フォントが読みやすい。そして、ルビが多い。それで、子ども向けかな?と思いはじめる。難しい言葉も使ってないし、文章もわかりやすく、ぐんぐん読める。でも、構成(展開)も複雑じゃない(わざとそうしてあるのだと思う)ので、途中ですこしあきてくる、というか、インターバルがあいても気にならない、って感じ。謎の布石がないので、謎を解明してすっきりしたい、という気持ちもわかないのだ。
でも、それを考慮しても、いい本だと思う。面白かった、というのではなく、いい本だ、というところがクセモノかもしれないけどね。
ラストでは、号泣、ではなく、しずかな涙がわきあがってきたよ。そして、なぜか、あとがきで号泣。そのあとの、「アフガニスタンという国」と題された30ページほどの解説もわかりやすくてよかった。イスラームについても、基本的なことなんだけど、知らないことがわかってよかった。そして、そのあとの「かつて子供だった大人のみなさんへ」という2ページの短いメッセージ(手書きイメージ)で、またまた号泣してしまった。
たしかに、子どもたちに読んでもらいたい本である。
いや、それにしても、この本を借りたのが4月30日。ウサマ・ビンラディン殺害の声明があったのが、5月2日(日本時間)。かなりいいタイミングだったと思う。