聖灰の暗号 (帚木蓬生) ★★★★★

聖灰の暗号〈上〉

聖灰の暗号〈上〉

聖灰の暗号〈下〉

聖灰の暗号〈下〉

ついでだから、「主夫の生活」をお休みしていたあいだに読んだ本も記録しておこう。
カタリ派にまつわる謎解きと冒険。カタリ派については「ラビリンス」でも読んでいて*1なじみがあった。でも、ローマ教会のひどさがこれほどまでとは知らなかった。
13世紀のヨーロッパで「とうもろこしを育てていた」というような記述があって、かなり興ざめする。とうもろこしはアメリカ大陸の作物で、13世紀にはまだヨーロッパにはなかったと思うのだが。時代考証はちゃんとしてると思っていたのに、こういうことがあると、他の部分も信じられなくなっちゃうんだよな。まあ、「とうもろこし」は「corn(と同義のオック語(オキシタン語))」の誤訳で、もとは単に「穀物」の意味だったと考えれば筋は通るんだが。って、あの古文書も作者の創作だろうから、もともと日本語で書かれてんだよねぇ。
でも、わりと「動き」があってよかった。本の中のことなのに、自分も少しだけ動いた気分になっちゃうんだろうな。
お休みのあいだに読んだ本みんな書こうと思ったけど、風呂も空いたし、またこんどにしときます。