インターセックス (帚木蓬生) ★★★★☆

インターセックス

インターセックス

なんかもうこの人のパターンはわかってきた、という感じ。
ほとんど最後まで、淡々と日常が描かれ、そしてそれがけっこう理想的な状態だったりして、で、最後のちょっと前に大問題がおきて、最後に種明かしがされる(文書でなされることが多いような気も)。少し飽きてきたような気もするけど、図書館の書棚にあの分厚いのがドン・ドン・ドンとならんでいると、ついつい手が出ちゃうんだよね。
インターセックスとはいわゆる半陰陽。それが縦糸(横糸?)。俺はインド系日本人なんで、ヒジュラーという集団の存在やその人たちが結婚式などで歌や踊りをしてる程度のことは知っていたが、妻はそういう人の存在は初耳だったらしく、すぐには信じられないようだった。
ちょっとネタバレ的なことを書くので、白くしておくから、読みたい人は反転させて読んでください。
最後の運転手殺しはともかく、少なくとも、最初の海岸で溺死させた女優を殺すだけの動機が見当たらない。もう一人の女優との仲をとやかく言われたから、とたしか書いてあったと思うが、そんな程度のことで人を殺すだろうか?
でも、書いてあることはいいことだし、インターセックスに市民権を与えるという意味でもいい本だとは思います。