マウスをなおす

ここんとこ、妻が仕事で書くレポートでスキャナをつかう必要があり、Macintosh君の出番が多い。ところが、昔はあれほど使い心地のよかったKensington Mouse In A Boxなんだが、かなりまえからポインタが動かないときがたびたびあったのだ。
もちろん、ボールやローラの掃除はそれなりにした。でも、どうやらそれは関係ないみたいだった。というのも、「チクショー」といってマウスをガチャガチャガチャとふると動くようになるときがあるからである。
もちろん、裏ぶたをあけて中を見たりもした。でも、ふって動くような部品はない。しいて言えば、マウスとPCをつなぐケーブルの取り付け部ぐらいか。でもそれにしたって、しっかりとしていてぐらついてるふうはない。
今までは、そうやってガチャガチャガチャとなんとかなだめて使ってこれたのだが、きょうはもういくらふってもどうにもならなかったのだ。仕事に必要だというのに。
そこで、俺は、はたと気がついた。マウスとPCのケーブルの、取り付け部ではなくてマウスの筐体を貫通している部分ではないのか。たしかに、たいていの電気機器は電源コードの筐体貫通部あるいは電源プラグの根もとが被覆内部で断線して動かなくなるのだ。
そこで、内部で接触するようにそのへんをその部分あたりにむかってぎゅっと圧縮(ばねを縮ませるように)してやると、うん、たしかに微々っとだがポインタが動く。だが、いまいち確実ではない。そこでいろいろ「そのへん」や「その部分」を特定するためにごにょごにょやっていると、そこに妻がもどってきて言うには、「なにぃ、そうやってもんでやると動くようになるの?」。
そして、結局、特定された箇所は筐体のまさに際だったのであるが、開腹してみると断線部分はその前後1cmぐらいに及んでいたのであった。中には赤・茶・緑の3本のビニル被覆線とそれを取り巻くシールド線(編み線)が入っていたが、断線していたのは、そのシールド線であった。
断線部分を取り除き、その両端をはんだでつなぎ合わせて術式終了。ボールもきれいに掃除して、うーん、スムーズ。
今から考えると、ポインタの動きを復活するためにやっていたガチャガチャガチャとふる行為が、ポインタの動きをさらに阻害する要因になっていた、という、実によくある人生の縮図なのであった。