イヤホンをなおす

下の子のiPodTouchのイヤホンである。左の音が出なくなった。
まずは、終端どうしの導通検査で、アース側が切れていることだけはわかった。で、右は音が出るということは、コードの左右にわかれているところで切れている?まさか!
あやしいところ(折れ曲がりのはげしいところ、被覆の外側に傷のついているところなど)が全く無く、まるで目星がつかない。あのイヤホンの被覆はPVCじゃなくてゴム系なので、からみにくく丈夫そうだが、そのぶん大きな力がかかって内部で断線しても外見に痕跡が残りにくく、こういうときは良し悪しだ。コネクタ付近も、じつにしっかりピンピンしている。
なので、やっぱりまんなかまんなか作戦で捜索していったのだが、内部の線がビニル被覆線ではなくエナメル被覆なので面倒だった。ビニル被覆なら、テスタのプローブにつないだ針でさせばいいのだが、エナメル被覆だとそれを紙やすりでこすり取らなければならない。その過程で、一カ所、切れていないところの線を俺が切ってしまって、ちょっとブサイクなことになってしまった。
余談だが、イヤホンのコードの左右にわかれていないところにも、ちゃんと左右別々の導線が入ってた。プラグは左右コモンなのに。。。それが普通?でも、それって、無駄じゃないか?
何箇所も被覆を切り開き、エナメルをはがして導通検査…という面倒な作業をくりかえし、結局、断線箇所は、プラグとコードの接続部分。プラスチックで固めてあるその中でのことだった。
ということは、過失や故意ではなく初期不良ではないか、とも思ったが、たとえプラスチックで固めてあったとはいえ、それなりの引張荷重(大きさ×回数)がかかれば切れてもおかしくはないだろう。イヤホンのおかげで落としても大丈夫だった(空中でとまった)という話を聞いたことがあるような気もするので、さもありなんである。
プラグのプラスチック部分が完全にとれた状態でのはんだづけなので、それなりに苦労はした。普段は見えないあの部分、《凸》の字の3段バージョンのようになっているのだ。そんでもって、格段の高さ(長さ?)が1.5mmぐらい、それらのあいだには0.5mmぐらいのプラスチックの絶縁地帯があるのだが、ショートしないようにはんだづけするのは、かなりむずかしい。
なので、2段階接続方式を採用した。まず、小学校の理科の時間で電磁石をつくるときに使ったようなエナメル被覆銅線をはんだづけしておき、それにイヤホンの導線をはんだづけする、という具合である。
しかし、一番むずかしかったのは、それらをどうやってたがいに絶縁して、固定するかという問題だった。抜き差しで大きな力のかかるところなので、しっかり固定しないといけないのだ。
まず、瞬間接着剤で初期絶縁をしておいて、それらをあいだが離れるようにまるめこんで、さらに瞬間接着剤をつけて、プラグの持つところ(スリーブ状になって残っていた)をかぶせた。
なんとかそれで、うまくいったのだが、どうも左の音が右にくらべて少し小さい。ひょっとして中でちょっと接触していて電流がリークしているかもしれない。でも、もうしかたがない。瞬間接着剤で固めちゃったし、またそれを破壊して…なんて、いまさらやりたくないよ。