『「生き方」の値段』エドアルド・ポーター(著)月沢李歌子(訳)★★★☆☆

「生き方」の値段―なぜあなたは合理的に選択できないのか?

「生き方」の値段―なぜあなたは合理的に選択できないのか?

なんかわかったようなわからないような。
こういう大衆向け学術書(?)の翻訳本にはよくあるような気がするのだが、PCに向かった著者が短時間にウワーッと書きまくった、って感じ。十分下調べをしたそのあとではあろうが、さあ書くぞ、ってイッキに書いたような、そんな気がする。
接続詞が少なくて、文がバラバラに並んでいるような感じのところが多い。文と文のつながりがよくわからず、よく読むとただ列挙してあるだけだった、みたいなことが何回かあった。


あ、そうそう、中に、「幸福」の値段、という章があるんだけど、〈幸福感〉は、収入(など)の、値ではなく、微分係数というか変化の割合で感じるんだと思うんだよね(しかもその大きさは、対数的にしか感じられない)。
たぶん僕たちは変化しないものには気づかない。乗り物だって速度じゃなくて加速度を感じてる。いくら地球が時速1700kmで回っていても気がつかない。なのに本を読んでて視界のはしでなにか動けば気がつくもんね。
収入(など)の(など)は、なんでもいいよ、人それぞれ。気候や環境でもいいし、余暇の時間でもいいし、孫と遊ぶことでもいいし、食い物でもいいし、畳や女房でもいいよ。