『「大発見」の思考法 iPS細胞VS.素粒子』 山中 伸弥, 益川 敏英(対談)★★★☆☆

山中伸弥氏のノーベル賞受賞のニュースを聞いて、氏について調べたときこの本の存在を知りさっそく図書館で予約した。所蔵が4、貸出中が1ぐらいですぐに手に入る状況だった。もうすこしたてばもっと予約がはいって待っとらなかんくなるだろう、先手必勝だぜ、とほくそ笑んだのだった。
しかも所蔵4のうち1冊は緑図書館蔵でしかも在庫。だったらあしたにでも「届きました」とメールがくるだろう。と思っていたが、きたのは3日後ぐらいだった。
いままで、すこし離れた図書館所蔵で在庫の本を借りにいく場合、いくまでに誰かが借りだしてしまうリスクを回避するため、取り置き依頼の電話をしていたのだが、こうすればいいのか、と思ったが、どうなんだろう。「届きました」メールがくるまで予約した本人でも借りれないのだろうか。
借りたあと予約状況を見てみたら、やっぱり予約数は増えていて、すぐには借りれない状況になっていた。さっきも見てみたらさらに増えて予約数は14になっていた。でも思ったより多くない。
さて対談の内容だが、ちょっと話が噛み合ってないな、と思われるところもあったが、それぞれの話としてはまあおもしろい。が、ここのところ『悪霊にさいなまれる世界』カール・セーガン(著)青木薫(訳)★★★☆☆ - 主夫の生活『シミュレーション 西暦3000年の人類 − 輝かしき宇宙コンピュータ文明への最終選択』アイザックアシモフIsaac Asimov,フランクホワイトFrank White(著)林陽(訳)★★★☆☆ - 主夫の生活とサイエンス指向がつづいていたので、それほど目新しさはなかった。よりサイエンス万歳感は強まったが。
山中氏がノーベル賞受賞に対してのコメントで、「日本という国が受賞した賞だと思っている」と言っていたようだが、実はすでにこの本の中で、益川氏と小林氏がノーベル賞を受賞したとき“お二人の賞であると同時に、日本の科学全体に与えられたしょうという感じがしました”(12ページ)と言っている。
益川氏がいろんなことにたとえば「へたな鉄砲の原理」とか自分なりの名前をつけているのがおもしろかった。その中のひとつに「積極的無宗教」というのがあったが、おれといっしょだ、と思った。
下の子はいま高校2年で来年度の社会科の選択をどうしようかおおいに迷っているようだが、そのとき自分で「迷うのはいいことだ、それでいろいろ考えれる」というようなことを言っていた。益川氏には『15歳の寺子屋「フラフラ」のすすめ』という著作があるようだが、その中で“進路などへの迷いを「フラフラ」と表現され、いろいろなことに憧れを持つのは良いことだと「迷い」を肯定していらっしゃる”(山中氏、72ぺーじ)らしい。
その下の子が、このまえ俺のつくったガタガタする腰掛けにすわって、「4本脚で安定させるのは難しいね」というので、「そりゃそうだ、3点で平面が定義されるので、4本目の足ががその平面上になる確率は0であるといっていい」という会話をしたばかりなのだ。そうしたら「中高六年間の試験で唯一、解けなかった問題が、「椅子の脚は、四本脚と三本脚では、三本脚は安定するが四本脚は安定しない、なぜか」という問題です”(山中氏)と書いてあった(57ページ)。
なんか共通点というか偶然の一致がおおいなあ、と思った次第。