「1Q84 BOOK 2 〈7月―9月〉」村上春樹(著)★★★☆☆

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

進展はあるがダルくなる。いろいろなことがわかってくると、そのぶん興味がうすれていく。それは、映画を観るときも同じで、だから、後半ほどつまらんくなって、ラストは眠ってしまう。わかっていく過程がおもしろいのであって、わかってしまったらもうどうでもいいのだろう。
となると、やっぱり、多すぎる比喩がうっとうしくなってきて、ついでに頭の中のひとりごとも邪魔くさくなってくる。思わずそのへんをテキトーに読みとばして、ものがたりの進展をブーストしたくなってしまうのだった。そういう夾雑物をとりのぞいたら、3冊分が1冊ですむのではないか。逆に言えば、1冊分で3冊売れる。もうけは3倍。グリコよりおいしい。うまい発明だ。やはりノーベル賞もんである。
とはいえ、おはなし自体は[ホドホドに(なれたから?)]おもしろいし、まだまだわからないところもあるので3つ。