誰がウサマ・ビンラディンに有罪宣告をしたのか

日ごろからめったに怒らないおれだが、あのときは本当に怒れたよ。誰にもぶつけようのない怒りだけどさ。
あのときというのはウサマ・ビンラディンが殺されたとき。裁判もせずに、それはないだろう。いつからアメリカは法治国家じゃなくなったのか(昔からか)。まるで《ろくでなし国家》だぜ(《ならずもの国家》をおれはよくそう間違える。だって《ならずもの》なんて言葉、ふだん使わないもん。《ろくでなし》だって使わないけどね)。
それをとりたてて(海老蔵ほどには)大騒ぎしなかった世間にも困ったもんだけど。
紀元前5世紀につくられた共和制ローマの十二表法でさえ〈いかなる者であれ有罪宣告を受けていない者を死刑に処すこと〉は禁止しているというのに。