『邪魔』奥田英朗(著)★★★★☆

邪魔

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奥田英朗を読みはじめたのは、TVで「空中ブランコ」という変なアニメを見てからなので、それほど年季が入っているわけではない。奥田英朗を知ったのはそのTV番組の原作の一つである『イン・ザ・プール』の書評だったと思うので、それが出版されたころだろう。書評をよんで、おもしろそうだと思った記憶がある。それでそれをスクラップまでしたかどうかは覚えていない(そのころはまだおもしろそうな書評や本の広告は切り抜いてノートに貼り付けていたと思う。そのうち、切り抜いて封筒に入れておくだけになり、やがてなにもしなくなった)。それからTVを見て実際に本を手にとるまで、数年のブランクがあったように思う。
読んでみるとかなりおもしろくて、それ以降、わりと短期間のうちに、一人の作家の本としてはかなりたくさん読んだと思う。いまこの[主夫の生活]内を[奥田英朗]で検索してみると、2010年8月以降1年と9ヶ月ぐらいのあいだに今回の『邪魔』をいれて9冊読んでいる。
なのに、この、どうやら代表作をおれは今まで読んでなかった。そして、さっきしらべて気がついたのだが、もうひとつの代表作たる『最悪』というのも読んでないようだ。
それはさておき。
いままでの印象とはちがい、かなりまじめ、というか深刻な感じ。でも「ブハッ」と笑うところも少しあった。よく調べてるとか、よく練られてるとも感じた。よく書けるなあ、と感心もしている。
4つはちょっときびしめかもしれない。4.5ぐらいかも。どうして5つ星じゃなかというとその理由は、旦那がどうして自首したのかわからないことと、恭子がそして子どもたちがその後どうなったか書かれてないこと