『田舎の日曜日』★★★★☆

【映画パンフ】田舎の日曜日 ベルトラン・タヴェルニエ サビーヌ・アゼマ
写真がきれいなこと、ゆったりしていること、これといった事件がおこらないことがいい。いいけどちょっとつまらない。だからなに?って感じもないではない。
時代はセザンヌゴッホが画壇に登場して少したったあたりか。主人公の老画家は若いころをふりかえって思うのだ。「彼らがあらわれて時代はかわった。自分も画風をかえていればそれなりに有名な画家になれたかもしれない。でもかえなくてよかった。自分のオリジナリティがたもたれた」その後悔ともあきらめとも安堵ともつかない、あるいはそれらのまじりあった吐露がこころに残った。
気がかりもある。いまだに結婚していない娘のことだ。息子の嫁もほんのちょっとだけど気にくわない。
そして子どもたちが文字どおり子どもたちだったころを思い出すのだ。
としをとったからといってなにもかも達観できるわけではない、のだろう。としをとってもとしをとったなりにいろいろあるにちがいない。「これが人生だ」というささやきが耳もとで聞こえるような気がする。