『血と暴力の国』コーマック・マッカーシー(著)黒原敏行(訳)★★★★★

血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

ハードボイルドだど。
心のなかのひとりごとがなくていい。書かれているのは、目にみえることと耳できこえることばかり、といっていい。それも、ことこまかに。
あまりにもこまかすぎて、紙数のわりに物語がすすんでいないことに、あとになって気づく。でも、そういう、展開をたのしむような本ではないと思う。動作の精緻な描写をたのしむ本であり、考えさせられるせりふをたのしむ本であり、なにより世界観をたのしむお話なんだと思う。
masculineのお話とも言えるかもしれない。
おおぜい人が死ぬ。しかも、はげしく、キョーレツに、そして突然、不条理に。
しかし、わからんこともある。とくに、あいつの言うことは。あいつは〈わからんこと〉を言っているのかもしれない。
それにしても、、、深いなあ。
またもや、読んでいて『雪豹』を思い出してしまった。まえもなんかそういうのあったな(「雪豹」の検索結果 - 主夫の生活)。じゃあ、『雪豹』、めずらしくわが家蔵の本だし、もういちど読んでみるか。それはちょっと…だなあ。やっぱりお次はこれですか。
すべての美しい馬 (ハヤカワepi文庫)

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