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文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)

「反論への反論」への反論と、その反論

たしかに、「私たちの現在かかえている問題は、すべて、現存の科学技術の意図せざる負の産物だと言っていい」。しかし、人口は増えているし(それで困ってんだけど)、「第三世界でも、公衆衛生の基盤が整ったおかげで平均寿命が伸びている」。「世界の人口の80パーセントを占める第三世界の数十億人が、いまだ貧困状態の置かれ、飢餓レベルに近い、あるいはそれ以下の暮らしを強いられている」し、人口や「平均寿命だけでは、指標としてじゅうぶんとは言えない」が、それでも、そのときの人口や寿命は、そのときの地球の生命を養う力の指標のひとつではあると思う。長生きや、子孫繁栄を望むことは、人間だけでなくすべての生命の本源的な欲求、いや、生命活動そのものではないのか。
そして、そこまで地球の生命を養う力を引き出してきたのが、科学・技術だと思っている。
だが、それは今までの話。これからは、どうなるかわからない。科学・技術のもたらす負債はさらに膨らんで今までの利得を帳消しにしてしまうかもしれない。たぶんそうだろう。つまり、寿命はともかく人口は減らざるを得ないと思う。
恐ろしいのは、文明の崩壊が、その絶頂期から「ほんの10年か20年後に始まる場合もあるということだ」。(そして、その過程では、地獄のような混乱)