生命の存続は偶然か、そして/または、生命というシステムの利点

生命の発生が偶然で、生命の存続も偶然だとすれば、ある時点で生命が存在することは、きわめて確率の低いことになってしまう。ということは、地球以外の天体で、生命が存在する可能性はめちゃくちゃ小さい。それは、なんだか寂しい。

はじめから生命があったとはちょっと考えられず、はじめから今までのどこかで生命が発生したと考えていいだろう。条件がととのうことはきわめて確率の低いこと、つまり偶然かもしれないが、条件さえととのえば生命の発生は必然なのかもしれない。しかし、生命が生まれても、条件が自分に合わなくなれば、あるいは、自分が条件に合わなくなれば、生命は消滅してしまう。ところが、条件に自分を合わせたり、条件を自分に合わせたりしつつ、今まで続いてきた。どうして、途中で消滅してしまわなかったのだろう。

生命の発生が偶然だとしても、現在まで生命が存続してきたということは、生命が存続することは生命が存続しないことにくらべて何らかの有利なことがあったとは考えられないだろうか。ならば、その有利なこととはなにか。あるいは、有利なことなどなにもなく、生命の存続もやはり偶然なのか。

有利ということは、自然界においては、より安定、ということだろう。しかし、生物が非生物より安定とは、ちょっと考えられない。でも、カルマン渦やジャボチンスキー反応のような、非平衡開放系において自己組織化によって生ずる定常状態、すなわち散逸構造と考えれば、納得できんでもない。

これが、今のところの、俺のいちばん大きな悩みだ。