もうひとつの要因

K氏がマンションの購入に踏み切ったのには、消費税率の引き上げ予測も関係しているのではないか、と読んでいた。何千万円もの買い物ではものすごく重要な問題だからな。他人事ではない。何十万程度の買い物でも、俺にとっては無視できる問題ではない。
その税率引き上げのタイミングだが、07年度からせ08年度に先送りされる見込みが濃厚となっているようである。
これは俺にとって[もうしばらくメルベンに乗り続けよ]という啓示かもしれない。しかし、朝日新聞本日朝刊によると"実際の消費税引き上げは早くても、準備期間などを経た08年秋から09年春になる見通し"ということなので・・・うーん、ビミョーだなあ。新型ミラがでるまえに引き上げされちまったら・・・俺の予測では、新型発売の時期はちょうどその真ん中へんなんだよ(ちなみに前回は2002年12月だった。たぶんボーナス狙いだな)。
これは賭けである。こういうまったく予測のつかない賭けでどちらに賭けるか?それが問題だ。
Y氏は、「降水確率が50%なら降らないほうに賭ける。降水確率が50%ということは降らない確率も50%なんですよ。それで降るほうに賭けるというのは根性なしじゃないですか」と言った。まったくごもっとも、俺としては大賛成である。
しかし「トリビアの泉」ですっかり有名になってしまったアイザックアシモフ氏はこう言う。「賭けるときは、勝って欲しくないほうに賭ける。そうすればもしそれが当たりなら賞金が手に入ってうれしいし、はずれなら自分の勝って欲しいほうが勝ったということでうれしい」。これはこれで納得できる理屈ではある。たしかに、雨が降って欲しくないとき、雨が降るほうに「傘を持っていく」という面倒をベットすれば、もしそれが当たりなら「持ってきてよかった」という賞金が手に入り、はずれなら「降らなくてよかった」ということでうれしい。
うーん、じゃあ俺はどうしたらよいのか。
もしY氏方式で消費税率引き上げ前に新型が発売されるほうに賭けて当たれば少ない消費税で新型が手に入る。はずれたら、新型は手に入るが消費税は余計に払わなければならない。
もしアシモフ氏方式で、消費税率引き上げ前に新型が発売されないほうに賭けて当たれば消費税は少ないが新型は手に入らない?はずれたら・・・あれ?これ当たったときと同じだわ。
うーんわからんくなってきたぞ。そもそもY氏方式というのは、いったい何を賭けているのだ?[リスク]をかけているような気もするし、何も賭けてやしないような気もする。「賭ける賭ける」と言っておきながらいったい何を賭けているのだ。
もーわからん。また暇なときにでも考えよう。とりあえず、体の動きにまかせます。というか、とどのつまりがそうだったりして。
なんだかちょっとわかってきたぞ。
まず背反する事象、つまり1対1の試合などにかける場合、

方式 当否 好きなほうが勝ってうれしい 賞金
Y氏式
Y氏式 × ×
アシモフ氏式 ×
アシモフ氏式 ×

これを降水確率の問題に置き換えると、

方式 当否 雨が降らなくてうれしい 持ってきて/こなくて、よかった
Y氏式
Y氏式 × ×
アシモフ氏式 ×
アシモフ氏式 ×

ちなみに、さっき、「背反する事象、つまり1対1の試合などにかける場合」と書いたのは、これが競馬などのように二者択一的でない場合は、こうも簡単にはいかないからだ。

方式 当否 好きなほうが勝ってうれしい 賞金
Y氏式
Y氏式 × ×
アシモフ氏式 ×
アシモフ氏式 ×
アシモフ氏式 × ×

という具合に、自分の勝って欲しい馬が勝たずしかも賞金ももらえない、という場合が出てくる。これならY氏式と同じである。というか総合的に見てY氏式のほうがいいに決まっている。アシモフ氏式の利点はなにもない。

さて、これらにこの「新型発売が先か消費税率引き上げが先か問題」を当てはめようとすると、「好きなほうが勝ってうれしい」とか「降らなくてうれしい」という、結果に直接結びついた心理的報酬がないことに気づく。新型発売が先になったほうがうれしいような気もするが、「消費税率引き上げが先」に賭けた場合、新型発売が先になったからといって素直に喜べない。したがって、「好きなほうが勝ってうれしい」とか「降らなくてうれしい」に該当する項目はなく、

方式 当否 買っといて/買わんといて、よかった
Y氏式
Y氏式 ×
アシモフ氏式
アシモフ氏式 ×

だけとなる。これにさっきの新型が買える(○)か買えない(×)か、消費税が多い(×)か少ない(○)か、という項目を加えると、

方式 当否 買っといて/買わんといて、よかった 新型 消費税
Y氏式
Y氏式 × ×
アシモフ氏式 ×
アシモフ氏式 × ×

というわけで、結論としては、Y氏式でいく、つまり「新型発表が先」のほうに賭ける、ということになりました。
ちなみに、このような他の評価項目を降水確率の問題にも加えると、

方式 当否 雨が降らなくてうれしい 持ってきて/こなくて、よかった 濡れずにすむ 荷物が少ない
Y氏式
Y氏式 × × ×
アシモフ氏式 × ×
アシモフ氏式 × ×

となり、これもY氏式の勝ちである。どうも、アシモフ氏式はあまり使えなさそうだな。