『夏への扉』ロバート・A・ハインライン(著)小尾芙佐(訳)★★★☆☆
- 作者: ロバート・A・ハインライン,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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また、この本の献辞に《猫を愛するすべてのひとたちに》とあるが、このあいだあんなことがあった(朝から埋葬 - 主夫の生活)から、この本を借りたのではなく、ただの偶然です。
アメリカの政府や大企業のやり方には、たまんなく嫌悪を感じることが多いが、アメリカ人の会話のユーモアにはいつも感心させられる。とくに、自分が窮地におちいったときに発せられる一言がいい。あの余裕はいったいなんなんだ?あれは小説や映画の中だけ?とは思えないなあ。
そういう点はいいんだが(笑え度クスクス級)、株券の譲渡や保険会社との契約ウンヌンが、俺にはどうもよくわからない。今ひとつクリアじゃない。
それにそもそも、タイムトラベルというのがよくわからない。
よく言われる先祖殺しのパラドックスについてもそうだが、問題はそれ以前にある。
地球は自転も公転もしてるし、太陽系だってまるごと動いているだろうし、宇宙全体だって加速度的に膨張してるんでしょ?そんなんでどうして、(多少のズレは見られるが)だいたいねらった場所に出現できるの?かりにタイムトラベルができたとしても、なにもない宇宙空間にほうり出されておわり、ってことになっちまうと思うんだけどなあ。
んなこともないか。宇宙空間といえども、きわめて希薄とはいえいくらかの物質(というか質量をもつもの)はあるわけなので、あるいは暗黒物質とか暗黒エネルギーとかいうものが思いのほか高密度で存在しているらしいので、ましてや、通常の地球上なら、普通に物質と呼べるものが満ちているわけで、そういったものらと干渉して、、、どうなるんだ???
あるいは、タイムトラベルがビデオテープ(とは、こりゃまた古いが)を巻きもどすようなものだとしたら、10年前なら俺の場合42歳の俺になるだけで、52年前にタイムトラベルしたら、生まれたての俺になるだけで、生まれる前の時代には行くことができない。未来に行くのだって、30年後に行くにしてもよぼよぼの爺さんになっているか、もう死んでて行くことができないかのどちらかだろう(オカマになってよぼよぼの婆さんになっている可能性も否定はできない)。
というわけで、冷凍睡眠だけならよかったのだ。