一日中ホンを読む
これだ。
わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス
- 作者: ロバート・L.パーク,Robert L. Park,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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アーサー・C・クラークも好意的に引き合いに出されている。通信衛星の予言は見事なものだが、いかんせん、それは有人衛星だった。消耗した真空管を交換する人が常駐する必要があったのだ。通信衛星は予見できても、トランジスタは予見できなかったのである(トランジスタの発明はその2年後)。
「なぜ〜は〜なのか?」という題名の本は、胡散臭いものが多く、たいていはその答えが明確に書かれていない、という印象がある。しかし、この本はいたってまじめな本で、出版社は日本語タイトルのつけ方を間違っているか、つけ方に何かかんちがい(「なぜ〜なのか?」のほうが受けがいいだろう、という)をしているに違いない。そして、今のところ(半分強)、「なぜ〜」の答えは明確にはわからない。それを置いといたとしても、「〜なぜ科学にだまされるのか」ではおかしいだろう。だまされるのは「エセ科学」になのだから、「〜なぜ『科学』にだまされるのか」か、「〜なぜ科学という言葉にだまされるのか」でないと意味がとおらない。ちなみに原題は「VOODOO SCIENCE: The Road from Foolishness to Fraud(お馬鹿からペテンへの道のり?)」である。
しかし、きわめてまじめな内容にもかかわらず、筆者の人柄がしのばれるユーモアが随所にちりばめられており、読みながら声を出して笑うこともしばしばである。こういうノンフィクションにしては構成もよく、はじめのほうに出てきた人物があとでまた出てきたりして、いわゆる伏線をはっているみたいで、べったりとしておらず、なんかこう立体的でいい。