「わたしたちが孤児だったころ」(カズオ・イシグロ)*1を、やっと読み終える

読み始めたのは、前回の本を読み終わった日か、そのあたりなんで、もう、20日以上たっていると思う。図書館が特別整理休館とかで、貸し出し期間が通常の2週間より長く、「26日までにかえしゃええんだで、そういそがんでもいいや」という気持ちがあったせいと、読み始めるとすぐに眠くなったせいと、その両方のせいだと思う。
相変わらず、主人公の回想という形をとっているのだが、回想ゆえ、事実なのだか、思いちがいなのか、その辺がよくわからない。巻末の訳者による解説によれば、「Unreliable Narrator(信頼できない語り手)」ということになる。とにかく、やたらと詳しい。すべて事実だとすれば、恐るべき記憶力の持ち主である。そこが、この人の作品のおいしいところなんだとおもう。
主人公は、探偵なんだが、事件の捜査の詳細はまったく描かれない。だから、いわゆる探偵小説ではない。
本を読んでいる途中で偶然見た映画、「ありふれた愛のおはなし」の中で、くどいほど繰り返しやってたhttp://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/の宣伝をみて、「あ、これだ」と思ったのだが、今、サイトを見てみたら、原題がちがってた。