『小暮写眞館』宮部みゆき(著)★★★☆☆

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

ミステリではない。
予約してからもうずいぶん(たぶん半年以上)たっているので、そうであることを知って予約したんだろうとは思うが、そうであることをまったく想定せずに読みはじめた。
はじめから様子がおかしいとは思っていたが、それでもそのうち…と思って読みすすんでいくが、1割ぐらい読んだところで、そんなことはどうでもよくなってしまった。文学作品である。
ちょっとした「事件」は起きるが、日常のお話である。
後半はぐんぐん読みすすめることができたが、泣いたり怒ったりするようなことにはいたらなかった。なので、ちょっときびしめかとは思うが3つである。
心霊写真のような不思議な写真がモチーフになっていること、幽霊が重要な役割を果たしていること、死や死者について思いわずらっていること、高校生が主人公であること、なども、その評価に関係しているかもしれない。
お釈迦様は、「死んだ人のことは考える必要がない」とおっしゃったのだ。われわれは仏教徒としてその教えをしっかり守らねばならない。
あと、せりふが「」からはみ出して地の文と化しているのも気に入らなかった。この人、いままで、こんな書き方してたっけ。