「廃用身」を読む

廃用身すんげぇ本だな。小説だと思って読み始めたらノンフィクションみたいなんで「そういう本だったのか」と思って読みかけると、

わたしの名前をつけてもよかったのですが、それだとなんだかウルシにかぶれそうで

とあり、「???」と思ってよく見ると、久坂部羊という人が書いた「廃用身」という本が、いきなり漆原糾という人が書いた「廃用身」という本で始まっている。え?わかんない?つまり、「漆原糾という人が『廃用身』というノンフィクションを書いた」という小説が久坂部羊の「廃用身」という本なわけ。
「まえがき」がもうすでに、久坂部羊の「廃用身」の前書きじゃなくて、漆原糾の「廃用身」のまえがきだからね。
ご丁寧にも、「要介護者を抱える家族に関する実態調査(日本在宅介護総連合会調べ・2001年)」なんていう統計資料まで載っているんだが、念のため調べてみたが、そんな団体はやっぱりなさそう。
「改訂 長谷川式簡易知能検査スケール(HDS-R)」というのもあったが、どうもこちらは本当にありそうだ。
ひょっとして最後にある「★編集部註」も小説の一部かも。
中身もすごいよ。まだ1/3ぐらいしか読んでないけど、悲しいやら、恐ろしいやら、えぐいやら。