基準と根拠

アメリカでは大きな釣り針に生きた猫や子犬を餌として引っかけ、カジキマグロなどの大型魚を釣り上げるというスポーツフィッシングが金持ちのあいだで流行っている、という根も葉もない話を妻に語り、感想を聞いてみた。
やはり、かわいそうだと言う。それはよくないことだと。
じゃあ、ゴカイや川虫ならいいのか?と聞くと、それならいいと言う。
そのちがいは何か?と聞くと、鳴くか鳴かないかのちがい、と答える。
なるほど!おれは目からうろこの落ちる思いだった。そういう視点(聴点?)もあるのか!!
てっきり、おなじく動物どうしで、ちがいがわからなかったのだ。ゴカイがいいなら猫もいい。猫がダメならゴカイもだめじゃないか、って。まさか、哺乳類はだめでそれ以外はいい、というのもヘンだからさあ。だってヒヨコとかだったらやっぱりかわいそうだもん。じゃあ、脊椎動物はだめで無脊椎動物はいい、というのはどうかと思ったんだけど、根拠薄弱なんだよね。ゴカイだって針をつけるときのたうちまわるからね。まあ、苦しがってじゃなくて、気持ちよくってのたうちまわるのかもしれないけど。
のたうちまわるのがいけない、というのがたぶん弱いベジタリアンの基準なんだろうな。のたうちまわる=苦しがっている⇒かわいそう、というのがその論拠。植物は料理になる過程でのたうちまわらないからね。卵や乳も蜂蜜のたうちまわらない。卵OKと考える派はきっとこの基準だな。ただしその卵は産みおとされた卵にかぎる、だろうね。タラコや筋子のようなハラコはだめだ。あと、鶏のキンカンも。あんな気持ちの悪いもんまえから食いたいと思ったことないけど。
卵がいけない派は、のたうちまわるかどうかが基準じゃないわな。それがいわば動物本体そのものであるという点がイカンのだろう。いずれのたうちまわるものがまだのたうちまわれない段階、と考えてもいいかもしれない。
だったら無精卵はどうなんだ?ということになるが、どうも無精卵はOK派もいるみたいだね。
乳や蜂蜜がいけないのは、それらが動物の子どものかけがえのない餌であって、それを横取りすると子どもの命をおびやかす、と考えるからだろうな。
おれは、そういうメンタル・ベジタリアンじゃなくてメディカル・ベジタリアンなので、卵はのたうちまわらないけどNG、乳や蜂蜜はOKということにしてる。まあ、コレステロールが1日300mgを超えなければなに食ってもいいんだけどね。めんどくさいからね、計算が。食材で制限かけたほうが簡単だから。
EPAの関係で、のたうちまわるけど青魚もやや積極的に食っていこうかな、という気もしてるし。
あ、それから、和風だしの素やコンソメスープの素もOKです。