ロック板をこえる女

図書館の駐車場で、いんちきしてロック板をまたがないように(どういうふうにやってたのか、詳しいことは忘れた)とめてるクルマは見たことあった。でも、上がっているロック板を強引に乗りこえるクルマは初めて見た。
ちょうど俺が駐車場に入っていったとき。そのクルマが出ようとしていたので、俺がインチキ手話でロック板が上がっていることを教えてやったのだけれど、そのクルマは強引に乗りこえてしまった。そのあと、そのクルマから女性(たぶん若いお母さん。まじめそうな人)がおりてきて、クルマの下をのぞきこんでいる。そして俺に
「なんか大きな音がしたんだけど」
「ロック板、上がってましたよ」
と俺。俺のインチキ手話は通じてなかったみたいです。
「30分以内は無料ですよね。どうして上がったのかな?」
とその女。
「どうしてでしょうね」
とそのときは言ったものの、考えてみれば、その女、たぶん清算機で出庫処理をしてなかったんだ。無料だからロック板が上がらないと思って。で、上がらないと思ってるから下がっているかどうか確認もしていない。しかも、ケツから入れてるんでロック板が左側になって、運転席に乗り込むときに偶然上がっていることに気づく、という幸運にも恵まれなかった。ということなんだと思う。
つまり、あの駐車マシンは頭からいれるように設計されているわけだな。当然だわな。頭から入れないとトランクへもアクセスしにくいし。場所によっては隣家に排ガス浴びせることになるし。皆さん、クルマは頭から入れましょう。