『ノアの羅針盤』アン・タイラー(著)中野恵津子(訳)
★★★★★
内容の説明を「カーリル」やAmazonで読んで、なんか読んだような気がしたので借りようか借りまいか迷ったが、{まあ、少し読んでみて読んだことを思い出したら読むのをやめればいいか}と考えとりあえず借りてみた。
まず主人公は60歳男性で元教師で、ああ俺と同じだ、と思った。引っ越したその晩に強盗に襲われ一時的な記憶喪失となり、その記憶をとりもどしたいというところからお話は始まる。その本を読んだ記憶をとりもどしたいということでその本を読み始めた、というところも同じような気がした。しかし同じところはそのへんだけでした。
まあ、あいかわらずのアン・タイラー節というか、日常のなんでもないような会話や所作がちょうどいいこまかさでダラダラではなくタラタラと描かれ、それが実に心地よい。火曜の午後に借りてきて木曜の午後には読み終わってしまった。
途中で{どうもこれは読んだことないな}と思い始めたが、考えてみれば、出版年を見れば、こりゃたしかに読んでないわ。2007年に『結婚のアマチュア』を読んで(
https://masatec.hatenablog.com/entry/20070123/p3
)そのあと、なんど新作は出てないかと確認しても出てないようなので、もう書いてないのかあるいは死んだのか(失礼)と思ってた。これを発見したとき、{おお、まだ書いてたんだ}と驚いたもんね。
『犬の力』ドン・ウィンズロウ(著)東江一紀(訳)★★★★★
- 作者: ドン・ウィンズロウ,東江一紀
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何かの本の「あとがき」のようなものでこれらの本の訳者である東江一紀氏のことを読んだ。
2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する (文春文庫)
- 作者: 英『エコノミスト』編集部
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かもしれないし、
かもしれない。
それら2冊のうちのどちらかも、もう一方の「あとがき」のようなもので東江一紀氏のことを読んで、それで読んでみよう、と思って読んだものかもしれない。あるいは、偶然どちらも東江氏の訳だったのかもしれない。
上のリンクには表示されていないと思うが、『2050年の世界…』も、東江一紀(訳)だし、楡井浩一というのも東江一紀氏の別名です。
まあ、とにかく、なにかの「あとがき」のようなもので、東江氏のことを読んで、その中で大変丁寧なお仕事をされているということが書かれていて、その本を読んで実際そう感じていたので、ならばほかの東江氏の訳した本も読んでみよう、と思って読んでみたのが、この『犬の力』だったわけですが、よかった。読み応えありました。
今回、これを書くにあたって、東江氏の訳した本にはどういうのがあったか調べるためにWikipediaを見てみたら、ほかにもいろいろ読んでました。
最近では、上の2冊の前に、この『犬の力』と同じ作者の
- 作者: ドン・ウィンズロウ,東江 一紀
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- 作者: ドン・ウィンズロウ,東江 一紀
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(ということは「あとがき」で東江氏のことを読んだのは、この『フランキー・マシンの冬』だったかも)
ずいぶんまえに読んだものでは、
- 作者: ウォルタールーウィン,Walter Lewin,東江一紀
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楡井浩一名義では、
文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)
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文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)
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てなところです。
こういう論法をなんと呼べばいいのか
“アルコールについて覚えておきたい6つのこと
Lipi Roy ,
I'm a doctor who writes about addiction, nutrition and mindfulness.4. 暴力の原因に
公衆衛生に関する年次報告書「Annual Review of Public Health」によると、18〜24歳の大学生およそ9万7000人が、飲酒を伴った性的暴力やデートレイプの被害を報告している。
また、NIAAAによれば、殺人事件の86%、性犯罪の60%、暴行事件の37%が、加害者が飲酒していたときに発生している。”
https://forbesjapan.com/articles/detail/23627?n=1&e=23803
という記事があった。同じ論法を使えば次のように言える。
公衆衛生に関する年次報告書「Annual Review of Public Health」によると、18〜24歳の大学生およそ9万7000人が、呼吸を伴った性的暴力やデートレイプの被害を報告している。
また、NIAAAによれば、殺人事件の100%、性犯罪の100%、暴行事件の100%が、加害者が呼吸していたときに発生している。
ゆえに、呼吸は暴力の原因となっている。
『みかづき』森 絵都(著)★★★★★
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ちなみに表紙の月らしきものは三日月ではなく24〜25日月だと思う。そしてこれがこういうふうに見えるは日の出の少し前の時間帯で、見える方角は東の方なので、ランドセルを背負った少女が母親らしき人と外を歩いており、家々がどこも照明をつけているということや、月からはなれた方角の空が明るいのは、いささか不自然に感じるが、描かれている樹木の様子から、季節は冬のようだから、地域によっては不思議ではないのかもしれない。
『破滅の王』上田早夕里(著)★★★☆☆
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ワクチンや治療法のない細菌兵器をばらまいて、その参考になる資料を分割して敵対している数か国に渡し、お互いに協力しないと対策を講じることができないようにして和平にみちびく。協力できなければ人類は滅亡。それはそれで平和な世界がおとずれる。というアイディアはいいのだが・・・
とても詳しくてよく調べてるなあと思ったが、なんか没入できない。歴史になぞらえているので、驚くようなエピソードも後出しジャンケン的な気がしてしまうからなのか、{どうせこうなる/ならないんだろう}というなめた態度のせいなのか。
できれば歴史をくつがえしてほしかった。第二次世界大戦が平和的に終決するのでもよかったが、ほんとうは人類が滅亡してほしかった。人類が滅亡するところを描いてほしかった。