『ノアの羅針盤』アン・タイラー(著)中野恵津子(訳)

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ノアの羅針盤

ノアの羅針盤

 

 内容の説明を「カーリル」やAmazonで読んで、なんか読んだような気がしたので借りようか借りまいか迷ったが、{まあ、少し読んでみて読んだことを思い出したら読むのをやめればいいか}と考えとりあえず借りてみた。

まず主人公は60歳男性で元教師で、ああ俺と同じだ、と思った。引っ越したその晩に強盗に襲われ一時的な記憶喪失となり、その記憶をとりもどしたいというところからお話は始まる。その本を読んだ記憶をとりもどしたいということでその本を読み始めた、というところも同じような気がした。しかし同じところはそのへんだけでした。

まあ、あいかわらずのアン・タイラー節というか、日常のなんでもないような会話や所作がちょうどいいこまかさでダラダラではなくタラタラと描かれ、それが実に心地よい。火曜の午後に借りてきて木曜の午後には読み終わってしまった。

途中で{どうもこれは読んだことないな}と思い始めたが、考えてみれば、出版年を見れば、こりゃたしかに読んでないわ。2007年に『結婚のアマチュア』を読んで(

https://masatec.hatenablog.com/entry/20070123/p3

)そのあと、なんど新作は出てないかと確認しても出てないようなので、もう書いてないのかあるいは死んだのか(失礼)と思ってた。これを発見したとき、{おお、まだ書いてたんだ}と驚いたもんね。