「まず石を投げよ」(久坂部 羊)★★★★☆

まず石を投げよ

まず石を投げよ

あれだけほめといて(こんなことしとったらちっとも読めん - 主夫の生活4つとは、なぜか?
それは、ラストがまずいからだ。はじめは、わけわからん、と思ったが、よく考えてみれば「一石は投じられたが、波はおこせなかった」ということか、という気はするのだが確信がもてない。なんだか、終わらせなきいけないので、あれこれ悩んだあげく医者もプロデューサーも自殺することにして、強引に終わらせたって感じ。まあ、たしかに、医療界の隠蔽体質が変わらないのなら、それを変えようとする戦いはいつまでも終わらないわけで、それだと本も終われないからね。戦う人を死なせて、「無力でした」と終わらるせしかないんだろうが。もっとも、彼ら2人は、どうも戦うために「石を投げる」人だったわけではないようだが。投げたいから投げるって感じで。人はなぜ情熱をかたむけるのか、という問題もはらんでいたようだが、たいていそんなもんだろうとは思うよ。隠蔽体質にしても、医療界にかぎらずどこだって、また個人的にもだれだって似たようなもんじゃないかなあ。そりゃ自分につごうのわるいことは隠しておきたいでしょう。あきらかにして責任とったほうが簡単だし気分いいんだけどね。経験しないとわかんねぇだろうなあ。