異次元の刻印(グラハム・ハンコック 著) ★★★☆☆

異次元の刻印(上)-人類史の裂け目あるいは宗教の起源

異次元の刻印(上)-人類史の裂け目あるいは宗教の起源

異次元の刻印(下)-人類史の裂け目あるいは宗教の起源

異次元の刻印(下)-人類史の裂け目あるいは宗教の起源

DMTというの向精神薬が、主役のごとく出てくるが、1980年代中ごろ、俺はDMTを注文したことがある。といってもdimethyltryptamineジメチルトリプタミンではなく、DeluxMisonikomiTeishokuデラックス味噌煮込み定食である。Michael Jackson のP.Y.T(Pretty Young Thing)の影響だと思う。うどん屋のお姉ちゃん、ポカーンとしてたなあ。
やっぱり時間の無駄だったか。"宗教の起源"というサブタイトルにある文言にひかれたのだけれど、俺の知りたいこととはいささかずれていた。
幻覚性植物の発見によって変性意識がごく一部の人のものでなくなり、多くの人が非現実的なビジョンを見るようになった。たしかにビジョンを見た人が「あの世」を信じるのはわかる。それが宗教の起源ということもわかる。俺もそう思う。
でも、俺の知りたいのは、「なにかを見たというわけでもない人がどうして神だの霊魂だのを信じるのか」ということだったのだ。読んだあとで気がついた。
しかし、人々のビジョンに共通性があり、また時代とともに"進化"しているというのは、たいがいみんな考えることは同じようなことだし、人から聞いたことに影響されたり流行もあるだろうし、それは当然のことではないか。ただ、変性意識でしか認知できない異次元の並行世界がいまここにもあると考えるのはおもしろい。その可能性は否定しないでおこう。
もっぱらの疑問は、32億あるDNAの塩基対のうち、遺伝子として使われていない97%の部分にはいったいなにが書かれているのか、ということである。たぶんPCにたまっていく使われていないファイルみたいなもんだとは思う。