網を編む

網と窓

〔編む〕きわめて単純な音韻構造。そしてその名詞形としての〔編み〕〔網〕うーん、実にプリミティブぅ。原初的技術萌えだなこりゃ。
ところで、ここんとこ数日、主夫の生活をお休みしていたが、それは網編みのせいである。
では、なにゆえ網を編むことになったかというと、
夏、暑いからである。
さいわい1階も2階もひさしが深い(1階は2階のベランダの床がひさし、2階はそれと同じだけ屋根がのびている)ので、また、夏期は日差しが高いので、直射日光は入らない(庭に面した窓(上の写真)からは)。が、なんとなく外からの輻射熱を感じる。きっと、庭やテラスからの赤外放射だろう。だったら、テラスと庭のあいだにいわゆる〔緑のカーテン〕を設けたらどうか。と、去年の夏に考えたのである。それがもう、夏の終わりごろだったので、今年に持ち越しになっていたのだ。
それで、つる性植物の誘引用に網を編むことになったわけ。

まずは、編み方である。それには、* –Ô‚ðì‚é *と、網編みを参考にさせていただいた。
次に、編むための材料である。凧糸も考えたのだが、色が白いと目障りだろうと考えて(どうせしばらくすれば汚れて目立たなくなるだろうが)、妻の着なくなったニット製品をほぐしてその毛糸を使うことにした。ところが、トムとジェリーでは1本の糸を引っぱればトゥルルルーっと全部ほどけてしまうのに、全然ほどけてくれない、どころかそもそも引っぱれない。既製品はそれぞれ編んだパーツを縫い合わせて作られているので、うまくいかないのだろう。そこで、とりあえずそれをパーツに分ける。そして、その中でいちばん大きな背中の部分をほどくことにした。でもやっぱり、ふちは断ち切られているので、1本の長い糸になるわけもない。数十センチの糸が大量にとれた。
その次は、道具である。当然、わが家には網を編むための道具なんか何もない。なので作ることにする。大きさは* –Ô‚ðì‚é *と同じにした。

こういうものを作り出すと、ついついディテールにこってしまう(A氏には重すぎるかもしれないが、大きな写真を載せさせてもらう)。いまから思えば、編むという機能に対してはまったくどうでもいいことなのだが。

また、これも編み始めて気がついたことだが、上のディテール写真の隙間はもっと広いほうが糸を巻きつけるとき楽だ。はじめは耳かきを使って糸を巻きつけていた。そして、後端部のえぐりはもっと浅くていい。先端部の隙間に比べて幅があるせいで糸の重畳が少ないので、先端部の針状の部分の長さの半分ぐらいの深さでいい。だからといって現状で困るということはない。ただ道具の有効長が短くなるとだけなんだけど。
さて、順調に編み進めていって、「まあええかげんええながさになったんだなぁか」と思って、吹き抜けの上から1階にたらしてみると、、、おお、俺はきわめて重要な事実に気がついてしまったのである。
上記の参考サイトのように編んでいくと、網目はサイトの写真や図にあるように、当然、ひし形になる。が、これではたらしたとき、重力で目がつぶれてしまうのだ。上記のサイトで作っているのはどちらも釣用のランディングネットなので、そういう上からたらすような力のかかり方を想定していないのだ。
なるほど、つる性植物の誘引に使われているネットはどれも、目の向きがいわゆる正方形だな。というか、垂直にたらして使う系のネットは、たいがい斜め目じゃなくて縦横目だわ。
というわけで、そこからが大変だった。「せっかく編んだのを無駄にはすまい」と編んだものを斜めに裁断して、それをしかるべき辺に接合して斜め目から縦横目への変換を謀ろうとしたのである。こんな具合に・・・

でもって、残りの部分を編んでいこう、という。
が、これからどうやって編んでいったらいいのか?〈これから〉というのは、〔上図の右の状態になってから以降〕のことでもあるし、〔次回作るときのスタートから〕のことでもある。
というわけで、こんな方法を考えた。

というわけで写真のような状態まで来たんだけど、ええ加減つかれてきたもんで、まあ、ここらでちょっと一服、ということで、これを書くことにしたというわけです。