キングダム-見えざる敵- ★★★★☆

はじめに中東の歴史をざっとおさらいしてくれるのがとても親切。これで頓珍漢な私やあなたも納得して映画を見はじめることができる。
しかし、俺の場合、聞き取り力不足のため(日本語を含めたあらゆる言語において)、字幕を読まねばならず、しかし、文字をよんでから(聞いてからでも)イメージが形成されるのに時間のかかる俺としては、早口でまくしたてられると非常にこまる。なにを言ったかわからないうちに次の台詞がきてしまう。人はああいう状況では早口にならざるを得ないわけで、したがって、俺はああいう状況ではちんぷんかんぷんにならざるを得ないわけだ。
たぶん全体の90%以上は手持ちカメラで撮っているらしく、画面がおそろしく揺れる。日頃そういうことに気がつかない俺でも気になった。酔うほどではないが、今のは誰だったのか、どうなったのかなど、動きがはやくてぶれているのでディテールがよくわからないのだ。そのせいか冷房のせいか、見終わったあとしばらく頭が痛かった。
でも、面白かった。話題もタイムリーだし、そもそも宗教(とくにイスラム教)やテロリズムはわりと好きな分野なのだ。それに、なぞ解き→アクション、というパターンでなく、はじめから「動」と「静」が混在していて、ほぼ最後まで謎は謎、というパターンなんで、謎が解けてドンパチが始まったとたん寝てしまうということにはならずにすんだ。それに、決して「アメリカ人(主人公)=いいもん、テロリスト=わるもん」と描いてないところに好感がもてた。