「マイ・アメリカン・ジャーニー【コリン・パウエル自伝】」*1を読み終える

いやあ、長かった。前にも書いたと思うけど*1、やっぱり小説じゃないから、これだけ長いとつらいよね。構成は平板だし、謎解きもないし。文章のプロでもないし、訳もあんましスムーズじゃないし。
たとえば、609ページ下段で

2月20日、ノームから、配下の司令官たちと協議した結果、さらに予定を遅らせて、20日に決行したいという連絡が入った。

とあるが、これは「26日に決行したい」のまちがい。湾岸戦争の地上戦の開始日の話。ここだけではわからないが、このまえに、はじめ2月21日だった予定日が、ノーム・シュワーツコフの要請で、24日に延期になっているのである。
そして、このすぐあとで、同様のまちがいをくりかえしている。

「10日前には21日に決行すると言ったではないか。次は20日に延ばしたいと言い、今度は26日にしてくれというのか。

こんどの20日は、24日のまちがいである。
こういうことでは困るのである。特に数字の間違いは困る。頭が混乱してしまう。そして、こうまちがいがあると、まちがっているのではなく、ただこちらが理解できないだけなのに、「ひょっとして、ここもまちがいなんじゃないか。本当はこうなんじゃないか。たしかにこうだとすればよくわかるぞ」と自分に都合のいいように記述をねじまげて解釈するということをしてしまいがちになる。すると、伝えるほうの側としても、自分の伝えたいことがちゃんと伝わらなくなってむなしい。伝えられるほうの側としても、ちゃんとしたことが伝わらなくてむなしい。双方がむなしい思いをすることになる。だから、こういうことでは困るのである。