飲んだくれに見る意識の遷移

人間を含めて物質には安定化すなわちエントロピー増大という方向性がある(その過程において、生命現象や結晶化のようなエントロピー減少を示すこともあるが)。
さて、飲んだくれに見られる意識の遷移もその例外ではない。つまり、酩酊時は意識状態が変容(altered states)する。しかし変容は安定化から見れば好ましくない。したがって、酩酊の経験値が上がるほど、意識の変容度は下がる。と同時に、非酩酊時(しらふ)の意識常態は酩酊時のそれに近づいていく。なぜならその方が、酩酊時の意識状態との差が縮まり、トータルでの意識状態の安定度が増すからである。要するに、飲んだくれほど、飲んでも酔いにくく、飲まなくてもよったようになる。ということだね。
ところで、なぜ酒を飲むかといえば、それは酔いたい(すなわち意識の変容を意識したい)からである。しかし、飲んだくれほど酔いにくくなるとくれば、飲んだくれほどさらに飲まなければならなくなるわけだ。行き着くところはアル中だな。中東やインドなど歴史の長い地域でアルコールを制限しているのは、そういうことを知っているからだと思うよ。
じゃあ自分としては、どうしたらいいのか?アル中への道を選ぶかムスリムへの道を選ぶか?
まあ、それらの間をいったりきたりするという手もあるのかな?あるいはスーフィのようにアルコールを使わずに変性意識を得る方法を身につけるか。