「新世界より」貴志祐介(著)★★★★☆
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/24
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でも、危惧をいだきつつ読みすすめていくと、まあ、たしかにファンタジー系なんだろうろうが、そんじょそこらのファンタジーではないことがわかってくる。なにしろ、死人の数が多い。死にかたがひどい。流される血の量がハンパじゃない。いわばスプラッター・ファンタジーだな。
重い本だと思う。上巻498ページ下巻573ページあわせて1000ページ超はたしかに重たい。持ってる腕もたるくなる。分厚いもんではさんでる指もいたくなる(ついつい本を持つとき左右からチョキではさんじゃうんだよね)。でも、そういうことじゃない。
なにかのアナロジーなんだと思うけど(作者がそのつもりじゃなくても、そうでも思わんとなんのために読んだのかわからん、時間と労力をつかって)、その対象がはっきりとわからないんだな。日本人とか、人間とか、いまの社会とか、いままでの歴史とか、そういうものやもっと具体的で各論的ないろんなことをみーんなあらわしているような気もするけど。
重さとはそのわからなさなんだと思う。