沈黙の森 C.J.ボックス(著)野口百合子(訳)★★★★☆

沈黙の森 (講談社文庫)

沈黙の森 (講談社文庫)

これがシリーズ第1作。俺ははからずも第3作から読みはじめちまったんだけど、あいかわらず(というか、そのインバース)、抑制のきいた筆致に好感がもてた。構成もかっちり。翻訳も自然で、作者・訳者のかんちがいや誤変換といったような凡ミスも見あたらなかった。
なのに、マイナス1なのは、殺され方にそれほど異常さが感じられなかったからである。それで、あまり強い興味がわかなかった。なので、マイナス0.5ぐらいでもいいところ。たぶん、これを最初に読んでいたら5つだっただろうと思う。
俺にとっての前作(つまり第3作)でわからなかった、里子のエイプリルに何があったか、FBI捜査官のポーテンソンと何があったかは、いぜん謎のままである。