「わが罪はつねにわが前にあり」(松橋 忠光 著)★★★★☆

わが罪はつねにわが前にあり―期待される新警察庁長官への手紙 (1984年)

わが罪はつねにわが前にあり―期待される新警察庁長官への手紙 (1984年)

警視監が「警察組織をより民主的で明朗会計なものにしていってほしい」という願いを込めて同期生の次期警察庁長官にあてた手紙ということになっている。
著者は内村鑑三系の無教会主義キリスト者だそうで、たしかにキリスト者らしさの透徹した文章であった。
しかし、職名がしろうとにはまぎらわしく(警務部長と警備部長とか)、終戦直後の警察組織が今のとはいささか異なっている(といっても今の組織をそれほど理解しているわけではないが)ことなどから、わかりにくいところも少しあった。
要するに裏金問題が主題であり(と思う)、実にタイムリーというか、いまだにそういうことがニュースでも取り上げられている現状を思うと、まことに悲しくなってくるのだ。