「真っ赤なウソ」*7

前回の「オバサンとサムライ」*1に懲りず、ただ一緒に借りてきたというだけの理由で読んでいる。仏教系の大学(おそらく大正大学)での講演録。仏教とキリスト教にまつわるお話。養老センセイはどうも栄光学園(イエズス会の経営するカトリック系中学・高等学校。上智大学の下の学校?)のご出身らしい。
こんどは逆に、はじめは面白いと思ったが、すぐに「Q&A」が始まって面白くなくなってしまった。あんな回答で質問者は納得しているのだろうか。それもまだ手短な回答であればましなほうで、長い回答になると、どんな質問に対する答えなのか何を言っているのかもわからなくなってくる。回答に対する再質問がない(つまり議論にはなっていない)ので、質問者がどれだけ理解しているのかもわからない。その回答がどれだけ理解可能/不能なものかもわからない。理解できない読者はおいてけぼりをくったまま。養老センセイも、自分のせりふが宙に浮いたままで気持ち悪かろうに。
題名から、「宗教なんていらない」という主張を期待したが、じつはその反対。がっかりである。俺は宗教のない世界を想う人である。そして自分を見て、宗教なんかなくてもやっていけると思っている。いや世界を見れば、むしろ宗教なんかないほうがうんといいと思うのだ。しかし、なぜ宗教は必要ないか、宗教のない世界は実現可能なのか、どうしたら宗教をなくせるのか、というようなことをきちんと説明することはできない。だから、そういったことが書かれている本があれば一度読んでみたいと思っていたのである。