ウルトラ・ダラー ★★★☆☆

ウルトラ・ダラー

ウルトラ・ダラー

北朝鮮製の偽ドル札のお話。
面白いんだけど眠くなる。難しい言葉が多いからか。そのかわり、わが国や周辺諸国の諜報組織や浮世絵や競走馬などについてはいろいろと勉強になる。が、そういう薀蓄がだんだんと鬱陶しくなる。とんとんトントンと話がすすんで、「こんな調子でいってまってええのかしら?最後まで持つのだろうか?」と思っていたら、ほんとにそんな調子で最後までいってまった。物語がどんどん展開していく。ほとんどあらすじ(しかも込み入った)だけの様な印象である。肉付けは情景や着ている物や持ち物等の客観的な描写がほとんどだったと思う。主観的な感情的な描写が少なかったような気がする。「情」にうったえてくるものは少なく、大笑いしたり、はらはらどきどきしたり、手に汗握ったり、感涙にむせんだり、罵ったり叫んだりするようなことはなかった。