ソファがくる

ソファのある一角

これでソファを買うのは何回目だろう。安物ばかり買っているので、何回も買うことになるのだ。そして、そもそも、俺がソファ好きだからでもある。
メリル・ストリープと「ネーサン」という役の名の男がでる映画で、新しい生活を始めるためにまずソファを買いに行くというのがあった。象徴的で印象的なエピソードである。
俺も、この家の設計にあたって、当然ソファは想定していたのだが、主に三つの点で導入に二の足を踏んでいた。ひとつは、せっかくの広い空間をそれでスポイルしたくないということ。新築のまだ家具の入ってない空間を見て、そう思ってしまった。もうひとつは、ソファがあれば横になる、横になれば寝てしまう、という定理。そしてみっつめが経済的な問題である。
しかし、やっぱりソファを買ってよかった。背もたれの低いのにしたのでそれほど視覚的な圧迫感はない。そして、たしかにダイニングチェアより長時間すわっていられる。でも、ソファの最大の効能は、いちゃいちゃできるということだろう。ダイニングチェアではあいだが離れているから、そうはいかないし、床に座ったりごろごろしても、そんなにくっつく必然性がないからね。