教育勅語遊び

「朕は思わず屁をひった、汝臣民臭かろう、御国の為だ我慢せよ、鼻をつまんで御名御璽」

これをあの当時やっていたのだから子どもは強い。「勅語!」と叫ぶとみな起立直立しなければならない。だから、屁をこいたら「勅語!」と叫ぶ。そして上記の「屁勅語」を奉読するのだ。鬼ごっこのときにも「勅語!」の一言は効果覿面。捕まりそうになったらそれで鬼をフリーズさせる。
しかし、ある日、担任の先生が「俺は明日から台湾へ行くことになった」と学校を去る。あとで、母親から「お前たちは一体どんな悪いことをしたのか?」「親も校長先生も警察に連れて行かれる前に、急いで担任の先生を台湾に逃がした」という話を聞く。
義母から借りた「第17回戦争体験を語り継ぐ集い 戦時体験記録集《第12集》」に載っている話である。ずいぶん前に借りていたのに12月8日の1日後にたまたま読んだのも奇遇。1日後というのがまた俺らしくていい。
配属されてすぐ、新兵たちは木にくくりつけられた中国人を銃剣で突けと命令される。その後日ソ戦で死闘を繰り返したのに、「今も夢でうなされるのはこの場面だけ。心には時効はない」と語る人。パラシュートで降下した米兵を市井の人々がなぶり殺した話など。涙と鼻水なしでは読めない。