オルフェ [DVD]

オルフェ [DVD]音楽もよかったけど、映像もよかった。
そういえば昔みた黒いオルフェ [DVD]もオルフェが夢のなかでどこまでもつづく螺旋階段をおりていくシーンがよかったと記憶している。なにぶん古いはなしなので自信はない。あれは下宿していた「蔵」に白黒TVがあったころだから、大学の3年のときだ。25年もまえのはなしだ。
兄が大学を卒業し下宿をひきはらって実家にもどってきたので使わなくなった白黒TVをもらったのである。しかし、室内アンテナでまともにはいるチャンネルは三重テレビだけだったので、ほとんど見なかった。だからすぐに、友人の作花孝君にあげてしまったのである。めったにつけることもなかったのに夜中にたまたまつけてみたら偶然やっていた。TVがあったのは1ヶ月にもみたないくらいなので、本当に偶然中の偶然だ。
途中からしか見ていないとおもうが、もうひとつ、こどもたちがオルフェに「ギターをひいてよ」としきりに催促しているシーンをおぼえている。そして、最後にMaria Caracolesがかかっていたとおもうが、きょうみたオルフェ [DVD]のなかでは一度もかからなかった(とおもう)。
それにしてもサウダージのある映画である。音楽だけでなく、映画全体がサウダージにあふれている。オルフェがはじめのほうでうたっていた歌の中にも「サウダージ」ということばが聞きとれた。日本でも「てんとう虫のサンバ」とか「松なんとかサンバ」とかはやっていたようだが、それらにはたしてサウダージはあるのか???
ちなみに、もとリオデジャネイロ日本人学校教師のKさんにファベーラの「丘」のことをきいたら、「ちかよることもできない」とのことであった。