『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』ハワード・ジン(著)R・ステフォフ(編著)鳥見真生(訳)★★★★★

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈上〉1492~1901年

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈上〉1492~1901年

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈下〉1901~2006年

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈下〉1901~2006年

このまえ『ロスト・シンボル』を読んで(『ロスト・シンボル』ダン・ブラウン(著)越前敏弥(訳)★★★★☆ - 主夫の生活)思っていた。


{それにしてもどうしてワシントンDCにはこうもローマ風やギリシャ風やエジプト的なものまね建造物が多いのだろう。ラスベガスのようなエンターテインメント目的の街ならいざしらず、一国の首都で、おそらく大真面目で、それでこんなものまね建築ばかりじゃトホホじゃないか。これじゃあ中国のことを笑えないぞ。
この街をつくった人たちはいったいなにを考えてこのような建物をつくったのだろう。
たしかにイギリス風の建物をつくるのは癪だろうし、ましてやフランス風ドイツ風というのもありえない。アジア風とか、いわんやアフリカ風なんて、まったく想定外だわな。だったら、○○風なんてしないで、オリジナルで勝負したらええじゃないか。そういう時代じゃないか。
それにオリジナルったって、なにかの影響はかならずうけてるわけだしなあ。
結局、ヨーロッパの文化の源流はもとをたどればローマ、ローマはギリシャのものまね、そしてギリシャは中東、エジプトと、さらにはナイルをさかのぼってエチオピアですか。とどのつまりはミトコンドリア・イブのふるさとということ?きっとずーっとつづいてんだろうな。
まあ、それはいいとして、彼らはいったいこの街をどういう街にしたかったのか。あるいはこの国をどういう国にしたかったのか}なんてね。


そこで思い出したのが、この本だった。はてなブックマーク - masatecのブックマークに入れてあったのだ、〈独立宣言は一部富裕層の利権確保宣言〉というメモ付きで(読み終わったので削除しました)。
なので、独立前後のあたりがおれの当初の目的だったんだよね。なにか、ヒントになることが書かれているんじゃないか、って。でも、その目論見はあっけなく肩透かしをくって、建物にまつわる疑問は宙に浮いたままです。
とはいうものの、独立へいたるまでのお話もおもしろかったけどね。そのあとは、だから、目的をうしなったせいかあんまりおもしろくなかったんだけど、下巻に入ったら、またまた俄然おもしろくなってきて、特に自分の生まれたころ以降のお話は、より身近だからだろうけど、おもしろかった。泣けました。いままでは日本にもアメリカにもほとんど希望をもってなかったけど、まだまだ捨てたもんじゃない。かな?
でも、どうしたら富裕層のための政治から脱却できるんだろう。とりあえず、政治献金の上限額をもっとうんと引き下げる?でも、そもそも貧乏人は政治献金なんかしないだろうし、献金が減れば、もとからお金持ちの候補者ばかりになりかねんしな。うーん、わかんねぇや。
まあ、でも、あきらめるのはもうすこし先延ばしにしといてもいいかもね。これでも昔にくらべればずいぶん良くなったんだから。しかも良くなったのは政治家が良くしたからじゃない。民衆の力が良くしたんだからね。たしかに、いままでの歴史の本ていうのは、そこんところが書かれてなかったね。あたかも、政治家が良くしてきたように、あるいは自然に良くなってきたように書かれていたような気がするなあ。
あ、でもそれはアメリカの話か。日本にアメリカの公民権運動やベトナム反戦運動のような民衆の力を結集するような行動ってなにかあったっけ?いけねえ。思いつかねぇや。