ふるさとを訪ねて

このまえもらった国産の芋きりは一瞬のうちに食い尽くされ、そして、「マルキのやつのほうが、中国産だけど、やわらかくていいね」という話になる。
夜2階の洗面所で、下の子に「お父さん、あした、マルキに芋きり買いにいこうかどうか迷っとる」という話をすると、1階から「それは行くべきだ」と妻の声がした。
そんなわけで俺の迷いはふっ切れ、はるばるマルキくんだりまで芋きりの買出しである。ついでに18個380円の干し柿(やはり中国産)やおなじみささみの燻製なども買ってしまう。
行きに「たちや」の前を通り、なにもマルキまで行かなくても、「たちや」にだって安くてうまい芋きりはあるかもしれないとひらめく。が、すでにマルキで買い物する自分、というビジョンができあがっていたので、「たちや」はパス。こんど行ってみよう。
買い物をしているうちにものすごく尿意をもよおし(出かけるまえにコーヒーの飲みすぎだよ)、すぐ南の公園の公衆便所でおしっこしたら、懸案だった「ふるさとを訪ねて」を実行する決心がついていた。
今回は、かつての中村区牧野町。今は地名が変わっていると思う。俺はそこで生まれ、青年期の3年間をそこで暮らした。親父と二人で。
生まれたのは、名古屋鉄道病院(名鉄のちゃんとした名前が「名古屋鉄道」なんで名鉄の病院みたいでまぎらわしいが、名古屋にある鉄道省の病院という意味なんだと思う)。3年間住んだのも、国鉄の官舎である。
俺の住んでいた棟のあった辺りは、新しくて大きなJR東海病院になっていた。写真を撮ろうと思ったが、向かい側(名古屋鉄道病院があったところ)が工事中でクルマを止めにくかったのでパス。
向野橋を渡って帰ろうと思ったが、「老朽化のため、当分のあいだ通行禁止」みたいなことが書いてあったので断念(せざるを得ない)。せめて時々いった風呂屋を見てから、と思ったが、それも見つからず。きっと、もう廃業してんだろうな。
次回の「ふるさとを訪ねて」は、大学のとき下宿していた江戸橋の蔵(まだあるかなあ)とUとSKが共同生活していたアパートのあった高田本山周辺の予定です。