「遠い山なみの光」(カズオ・イシグロ)*2を読む

まさにカズオ・イシグロワールドである。村上春樹にはまっていくひとも、こういう感じなのかな?ともおもう。雰囲気的にはちょっとちかいものがあるような気もする。でも村上春樹よりうんと表現がすっきりしていていい。なんちゃって、村上春樹はただの一冊、カズオ・イシグロにしたってこれでようやく2冊めなのだが。そして、おれはアン・タイラーをおもいだしていた。
おはなしとしては、むすめが自殺したとはいえ、それはすでに過去のことで、現在進行形では特になにがおこるというわけでもない。日常と追想があるだけである。そういう、事件性のなさ、ありがちな生活感が、また、いいんだよね。
というわけで、また、アン・タイラーを読みたくなっているのであった。でもそのまえに、「わたしたちが孤児だったころ」(カズオ・イシグロ)*1を読むかもしれない。

*1:

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)