「Jet Lag」はやっぱり最高

Jet Lagかつては「Chocolate Kings」が最高だと思っていたが、いつの間にか「Jet Lag」になっていた。PremiataForneriaMalconiの話である。
たしかに初めて聴いたときは「なんじゃこりゃ」と思った。「これがあのPFMかいな。同じ名前の別のバンドじゃないのか」と思ったほどだ。しかし、これはまさしくPFMである。聴く者の予測よりも一呼吸はやく打ち出すそのリズム感は、PFMのspiritである。
重厚であればいいというものではない。これは、オーケストラに対する弦楽四重奏のよさである。楽器の一つ一つが明確で独立しつつ絡み合う。それぞれが密着するのではなく、あたかもDNAのモデルのように螺旋は適度な間隔を保ちながらそれらが塩基対でつながっている。
これ以前は、思い入れとパワー、これ以降は技巧と大人指向。それらが程よくバランスしている、あるいはそれらが相殺されて素のままなのが「Jet Lag」だと、俺は思う。