いよいよマンガ 日本人と天皇*5

今後の天皇のあり方に言及していること、昭和天皇個人に対する好き嫌い、などがきのう読んだ日本人と天皇と異なるが、歴史的理解という面ではほぼ同じ。ただ、扇情的で熱く、攻撃的である。また、それぞれの章で毎回雄山先生のような人が登場して薀蓄をたれるという構成は「美味しんぼ」を髣髴とさせる。登場人物の一人、北上一造は北一輝のもじりか。
近代天皇制(特に軍隊と戦時体制)が恐怖に立脚するシステムであるため、国民の中に被虐趣味と加虐性を醸成した、という洞察は卓見である。このような構図は家庭教育や子どもたちの人間関係にもよく見られる。
たとえ「日の丸」/「君が代」が国旗/国歌だとしてもそれを掲揚/斉唱することには結びつかない。当然というなら、それはあんたにとって当然であり、俺には当然ではない。Windowsなら「論理的必然性が見当たりません」と言うだろうな。
雁屋君、あんたの心配はよくわかる。だけど、あんたも近代天皇制の「国体」にうまく取り込まれて、被虐趣味におちいっているのではないか?そうだ、俺も天皇制の見えざる圧力に屈していた。よし、はっきり言ったろうやないけ。あれは「天皇家の家紋の肛門化」であり、「君が代の替え歌」であり、「日の丸への落書き」だっ!!どうや!
さらに雁屋君、[ある時点でAと言ったかBと言ったかわからないが、別の時点ではCと言ったのは明らかであり、AとCは矛盾し、BとCは矛盾しない]からといって、[ある時点で言ったのはBであり、Aではない]と結論づけることはできないだろう。それではあまりに人間のことがわかっていなさ過ぎる。時点がちがえば、ましてや状況(話す相手や場所など)がちがえば、矛盾したことなどいくらでも言える。口先だけじゃなく、本心から矛盾したことを考える。俺なんか同時にだって矛盾したことを考えてるぜ。
まあ、もうそろそろ日本も共和制にしてもいいだろうね。大統領もいらないよ。議会だけで十分でしょう。そもそも国家元首のいない国ってあるのかな?イタリアの大統領なんてニュースでほとんど名前みないけど、なんか仕事しとるんか?