ステーキをくう

むかしはよくくっていた。特につまが靱帯再建術で入院しているときなんぞは、毎日のようにくっていた。おそめにスーパーにいくと、見切り価格で3枚680円ぐらいでかえたし、調理もあとしまつも簡単だからな。ところがあの狂牛病騒ぎからさき、ぱったりとかわなくなってしまった。というか、かえなくなってしまったのだ。が、きょうは160gぐらいのが340円ぐらいだったのだ。
それにしても、まけおしみかもしれないが、しもふりの和牛なんてのは邪道だな。そういうのをはじめてくったのはたぶん神戸のホテルオークラで、おれは25歳をこえていたとおもう。そのときおれはおもった。「これじゃあマグロじゃないか」と。そしてかんがえた。おくちのなかでとろけてしまうようなしもふり和牛なんてのは、マグロずきの日本人のためにマグロににせてつくられたものではないか。そこにもとめているのは肉的うまさではなくマグロ的うまさなのではないか、と。
きょうひさしぶりにくったステーキは、かめばかむほど肉汁がわきでてくるタイプ。実に肉らしい肉だ、おれにとっては。