the MAGUSを思い出す

スプートニクの恋人」を読んでいて思い出した。

The Magus: A Novel

The Magus: A Novel

である。ギリシャつながりである。amazonで調べたら、カスタマーレビューに文字化けして読めないのがあったので、こりゃ日本語だろうと思い、日本版のを見たら、偶然にも村上春樹に言及していた(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/430971725X/qid=1102377703/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/249-6695074-7679512の一つ目のカスタマーレビュー)のでちょっとほくそ笑んだ。
村上春樹って、ホント、大丈夫?
93ページの「車のトランスミッション」の説明。

外からやってくる力の作用を、歯車を使ってうまく調整し、受け入れやすく変換していく。そうすることによって傷つきやすい生身の身体をまもっている。

って、「歯車」がなかったら、こりゃサスペンションだよ。
「小型のホッチキス」だって850円はしないよ http://store.yahoo.co.jp/askul/801585.html。わざわざ「小型の」って書いてあるんだよね。
こういうのがいろんな国で読まれていると思うと、ぞっとしねぇな。
最初から気になったなってしかたがなかった比喩については、著者自身も言及している。
97ページ。”「比喩のディテイルがもうひとつよく理解できないんだけど、」”
196ページ。”比喩にかまけている暇もない。”
って、やっぱり相当意識して比喩を使っているんだろうな。自然に出てくる本来のスタイルではなくて。それがあの多さ/わざとらしさ/わかりにくさにつながっているのだと思う。そして、後半あまり使われなくなることもそのせいだろう。それがねえ、〜のように、〜みたいに、ってほとんどが直喩なのよね。なんか、詩が趣味の女子中学生みたいでさぁ。ああ、情けねぇ。
もうひとつ。14ページですみれの父親を説明するのにその鼻について詳しく論じているが、213ページでも、ある男を説明するのに鼻のかたちについてふれている。なんか、鼻にコンプレックスがあるんじゃないの?

スプートニクの恋人」は、いままで読んだすべての本の中で最低の1冊でした。