『芥川症』久坂部 羊(著)★★★★☆

芥川症

芥川症

題名から予想できると思うが、芥川龍之介の作品にからめた6つの短編。笑えないのもあったけど、すべてが笑わせるのを目的としているのではないだろうから、それはそれでいいのだろう。いちばんおかしかったのは「クモの意図」で、これは新人看護師神田多恵が落語を聴くのを導入にしているところからも、笑いを意図していると思われ、そういう意味で、俺はまんまと作者の思う壺にはまったわけだ。