『女の由来 もう一つの人類進化論』エレイン・モーガン(著)望月弘子(訳)★★★★☆
- 作者: エレインモーガン,Elaine Morgan,望月弘子
- 出版社/メーカー: どうぶつ社
- 発売日: 1997/12
- メディア: 単行本
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- どうして2足歩行をするようになったのか?
- どうして道具を使うようになったのか?
- どうして体毛が少ない(本数にはたいしたちがいはないようなので正確には細くて短い)のか?
- それなのにどうして髪の毛は太くて長いのか?
- どうして皮下脂肪層があついのか?
- どうして乳房が発達したのか?
- どうして鼻孔が下をむいているのか?
- どうして泣くとき泣き顔になるのか?
- どうして涙をながすのか?
- どうして尻の肉づきがいいのか?
- どうして発情期らしい発情期がなくなったのか?
- どうして交尾にややこしい手続きがいるようになったのか?
- どうして向かいあわせで交尾をするのか?
- どうして女以外の人や物や事に欲情する男がいるのか?
- どうして言葉をしゃべるようになったのか?
- どうして象の鼻は長いのか?
- どうしてクモやヘビを特別に嫌悪する人が多いのか?
というようなことに興味のある人は、いちど読んでみるべきだろう。これらの疑問が、アクア説(人類の祖先の化石が発見されない鮮新世の数百万年間、彼らは海辺(水辺)で生活していたという説)によって、ことごとくときあかされる。すっきり腑に落ちる。
ついでに、アクア説には直接関係ないけど、
- どうして女は尻をふって歩くのか?
についても書いてある。ほんのひとこと書いてあるだけだけど、俺としては大きな収穫だった。
あとがきで著者本人も書いていたように、(〈ニューヨーカー〉誌が、「ぺちゃくちゃしたお喋り」と評した)本書の文体が冗漫に感じるきらいはあった。だが、そこは大目に見よう。ただ、
- 作者: エレインモーガン,Elaine Morgan,望月弘子
- 出版社/メーカー: どうぶつ社
- 発売日: 1998/03
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前半はアクア説に直接関係のある話でおもしろかったが、後半は海辺(水辺)での生活からより内陸での生活にもどってからの話になり、イマイチだった。それに、やはり、あとがきで本人も書いていたが、特にその後半、『女の由来』(The Descent of Woman)というタイトルがしめすように“女性解放という視点から”書かれていると強く感じられた。それらを総合して、マイナス★ひとつである。
どうも1972年に書かれたものを1985年に改訂した本のようで、やはり{古いな}と思わせる記述もおおい。それでも、{ようやく日本もこのレベルに追いついてきたか}と思うこともいくつかあった。それとも、欧米ではいまでもなんだかんだ言ってmasculineというかmachismoが文化の根底にあるのかもしれない。