『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎』島田裕巳(著)★★★☆☆

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)

浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)

「仏教宗派の謎」と言われても〈謎〉というほどのものではない。これはきっとウケねらいで編集者がつけくわえたのだろう。
浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」ということにしても、〈あとがき〉みたいなところ(〈おわりに〉というところ)でお義理のように書かれているだけで(実際“最後に、タイトルにもなっている、「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」という問いについて答えておく必要があるだろう”と書いている)、これも編集者からでたものかもしれない。ひとつの章にもなっていない。そもそもその問いに答えるのに、それほど多くの言葉を必要としないのだろう。浄土真宗は日本でいちばん多いので、そういうタイトルにすればたくさん売れそうだ。自分に関係のあることには興味をもつので。俺もまんまとその思う壺にはまったというわけだ。
実態は各宗派の概説の本である。
というわけで、思惑とはズレたけれど、それなりに得るところがあって、つまり知らなかったことだらけで、そういう意味ではよかったです。