- 作者: 笹本稜平
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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それがすみ、さあ読もう、と思って、もう一度寝室にいくと本がない。おかしいな、きのうたしかにベッドサイドテーブルのようなところ(ひくい和箪笥)においたはずなのに。最近は本を読みながら完全に眠ってしまうことはまずなくて、たいてい眠りかかったところで気づいて本をわきに置くことができる。ひょっとして、ゆうべにかぎってそうではなくて、枕元におちているかも、とあたりをさがしても見当たらない。
そうこうするうちに妻がかえってきて、本のことをきくと、「いま返してきた」という。しょうがねぇな妻が借りてきた本なんだから。それにしてもあんなハードボイルドもんを借りてくるなんて、どういう了見だ。そういえば、朝、出かけるまえに、「『マングースの尻尾』ってどこにある?」って聞いてたな。
というわけで、まだ半分読みでおわっちまったわけだが、だからといってまた今度は自分で借りようかとかそういう未練はまったくない。たしかに読んでいて「なんだこれは!」とか「くだらねえ!」と思ったことはない。しかし、つまらなくはないのだが、おもしろくもない。いったいなんでだろう…主人公が武器商人だからだろうか…よくわからないが、まあ、どうでもいいや、って感じだな。