『ウォッチメイカー』ジェフリー・ディーヴァー(著)池田真紀子(訳)★★★★★

ウォッチメイカー

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最後の最後、あと0.5mm(カバーを除き29mm中)っていうところで、出どころのわからないしかし聞きおぼえのある言葉(たぶん名前)が出てきて、さがすのに苦労した。いままでそういうのを放っておかずに丁寧に読んできたのに、あと少しだからといって、というかあと少しだからこそ、うっちゃって先にすすむなんてことできないよ。
そんなわけで、最後の最後に時間くいました。
話が複雑であっち行ったりこっち行ったりするもんだから、さがすのに苦労するんだよね。おまけに、みつかったところはほんの短いエピソードの部分で。しかも、かなり独立してて。そりゃ見つからんわけだ。
いや、たしかに複雑で、すごいわこれ。レトリックよりもプロット好きの人にはぴったしだね。著者は

レトリック依存症のクライアントの永遠に終わりそうにない話

なんて書いているので、やっぱり、どういうんだ?あんまりうがった見かたしちゃあいかんけど、なんというか俺と似たような感覚をもっているんじゃないかなあ、って思うんだな。
ちなみに、これもどこに書いてあったかわかんなくて、さがしたんだけどやっぱり全然見つからないので、途中であきらめてAmazonなか見!検索を使って発見した。ところが、日本語版のhttp://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88%E4%B8%8B%E3%80%89-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC/dp/4167705893/ref=pd_bxgy_b_img_bではまったくヒットしなくって、英語版のhttp://www.amazon.co.jp/Cold-Moon-Lincoln-Rhyme-Novel/dp/0743491572/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1320567881&sr=8-1で検索したらみつかった。
さっき引用した部分は英語版ではただ単に

rhetoric-addicted clients

と書いてあるだけだった。
そのときついでに、

"Yo, hold that rhetoric, wouldja?"

という部分で“rhetoric”という言葉が使ってあるのを発見した。が、“レトリック”という言葉はさっきの1箇所だけだったような気がしたので、該当箇所を日本語版で確認すると、

「そのお美しい理屈をご披露くださるのはまた今度にしてもらえねえかな」

という感じに、いくぶん修辞的な表現になっているのだった。

まあ、とにかく、俺好みの作風です。あとは中身ですが、中身もまあ嫌いじゃない。という程度なんだな。もう少し深みがあってもいいような気がするんだ。それでも、作風だけで5つだね。